二次元音楽って?


金属製の円盤を叩くと,大きな円盤は低い音,小さな円盤は高い音がします.円盤を並べて音階を奏でる楽器,それがポリゴノーラです.ビブラフォンやマリンバなどの鍵盤打楽器と似ていますが,その音階はドレミ...とは異なり,五線譜に書けないものです.

ポリゴノーラ Polygonola は polygon と ola を結びつけた造語です.Polygon は「多角形」を意味します.円も[無限多角形]といえます.ola はスペイン語で波のことですが,ポルトガル語では「こんにちは」という意味になります.ここで紹介する音楽と音階は2次元の振動を基にしていますので,三角形から円までを意味するギリシャ語に由来する Polygon と,音の本質である「波」を表すラテン語起源のolaという語を結合させました.
ポリゴノーラは OTO - circle によって開発されました.

こちらにポリゴノーラの演奏例が紹介されています。Rare And Strange Instruments
(再生回数 2.1万回)



いま 使われているドレミ...とは

現在の音楽で使われている音律・音階は,弦楽器・管楽器のための体系です.これらの楽器の音源は一次元で,音源の長さが基音を出しますが,その長さの 1/2, 1/3, 1/4, 1/5, ...に対応する音,整数倍音も出します.一次元の音源から出た音が重なっても美しく響くように (協和するように),とびとびの音を選んで並べたのが,現在のドレミ...という音階なのです.

円盤のような形は一次元ではなく二次元ですから,一次元音源のような整数倍音は出ません.しかし二次元平面から出る高次音にも規則性があります.そこでこの規則性を活かした,新しい音階を作り,それを実現する円盤のセットを製作して楽器としました.


ドレミ...の限界と 二次元の音階の可能性

現在のドレミ...で作れるメロディは高々 10 音程度の音高の組み合わせです.そのうえ,西洋音楽に限れば,機能和声という枠組みが決められています.新しい音楽作品が,毎日 無数に出現していますが,どれもどこかで聞いたメロディを,リズムやテンポで飾りなおしているにすぎないと言ってもいいくらいです.

二次元の音階は現在のドレミ...とは異なるものですが,構成音の多くの組み合わせは協和します.私たちはこの楽器が新しい音楽世界を拓いてくれるものと期待しています.


二次元の持つ多彩な音色

円盤などの音の高さはその直径で決まりますが,二次元楽器の音色は,円盤のどこを叩くか,何で叩くかで,じつに多彩です.小難しく言えば,叩く場所によって振動モードの振幅が変わり,また叩くものと叩き方によって振動のエンベロープが変わるためです.叩くばかりでなく,弦楽器のように弓で弾く奏法なども考えられます.奏法にも大きな可能性を持つ楽器です.